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DNS(ネームサーバー)サーバー移管・切り替え・浸透などについて

DNS(ネームサーバー)とは

インターネット上のコンピュータ同士が通信する際には、「52.196.97.74」といった数字をピリオドでつないだ「IPアドレス」と呼ばれる番号によって通信相手を特定しているのですが、このような数字の羅列を人間が識別するのは非常に困難です。そこで、人間が覚えやすいように「no1web.jp」といった文字列からなるドメイン名が利用されているわけです。ドメイン名を使ってインターネット上でやりとりを行うためには、
これをコンピュータ同士が通信するために必要なIPアドレスに変換させなければなりません。
このドメイン名とIPアドレスを対応づける仕組みがドメインネームシステム(DNS)であり、「インターネットの住所録」にあたります。

 

▼DNSにおける名前解決の方法

DNSを使って、あるドメイン名からそれに対応するIPアドレスを引き出すことを「名前解決」と呼びます。以下の図は、ユーザーが「www.no1web.jp」のウェブサイトにアクセスしようとした場合に、実際にどのようにして名前解決が行われるかを示しています。

 

DNS移管・移行・トランスファー・引っ越しとは

サービスプロバイダーやレジストラ(JPドメイン名では指定事業者)の変更に伴い、その対象となるドメイン名の権威DNSサーバーが変更されることを、「DNSサーバーの引っ越し」と呼ぶことがあります。簡単に対象となるドメイン名の現DNSサーバーを新DNSサーバーへ移管のことです。

 

例:A社でDNSサーバーを管理しています。これからB社へDNSサーバーを移管します。現在A社のご利用しているDNSサーバー名下記の通りになっております。

  • ネームサーバー(NS)1:a.ns1.example.com
  • ネームサーバー(NS)2:a.ns2.example.com

B社のDNSサーバーへ移管する際にネームサーバーを下記の通り変更します。

  • ネームサーバー(NS)1:b.ns1.example.com
  • ネームサーバー(NS)2:b.ns2.example.com

 

DNSの切り替えについて

DNS の切り替えとは、ドメインの指し示すサーバーの情報を書き換えることです。DNSサーバー上で登録されている情報をDNSゾーンレコードと呼ばれます。

 

▼DNSゾーンレコードとは

DNSサーバーは、DNSゾーンレコードを設定して働かします。代表的なDNSゾーンレコードは下記の通りです。

レコード名 目的
A ホスト名+ドメイン名にIPアドレスを関連づける
CNAME ホスト名+ドメイン名の別名のものに転送する
NS 別のDNSサーバーに処理をさせる
MX ホスト名+ドメイン名でメールが使えるようにする
TXT 認証などができるようにする

簡単にいうと、対象となるドメイン名の新WEBサーバーIPアドレス、新メールサーバーIPアドレスなどを指定することです。

 

例:現在、no1web.jpドメインをA社のサーバーをご利用しています。

ホスト名 レコード区分
@ A A社のWEBサーバーIPアドレス
www A A社のWEBサーバーIPアドレス
mail A A社のメールサーバーIPアドレス
MX mail.no1web.jp

B社の新サーバーへ移管する際にレコードは下記の通りになります。

ホスト名 レコード区分
@ A B社のWEBサーバーIPアドレス
www A B社のWEBサーバーIPアドレス
mail A B社のメールサーバーIPアドレス
MX newmail.no1web.jp

書き換えた情報でDNS浸透するまでに待つのが必要です。

 

DNS浸透とは

ドメイン情報の書き換えを行うと、その情報が世界中の DNS サーバーに行き渡ります。しかし、反映されるタイミングは、各 DNS サーバーによって異なるため、新しい情報を持つ DNS サーバーと、以前の情報を持つDNS サーバーが混在することになります。
この期間をドメイン情報反映期間(プロパゲーション)と言います。ドメイン情報反映期間中は、 旧サーバーと新サーバーのどちらに辿り着くかわからないため、両方のサーバーにホームページを用意する必要があります。また、メールも両方のサーバーに届いてしまうため、 両方のサーバーからメールを受信する必要があります。
一般的に反映期間は、30分~5日間程度と言われています。

 

メール設定・変更について

DNS切り替えでメールサーバーが新規メールサーバーへ変わりますとご利用しているメーラアカウント設定も変更(再設定)が必要となります。
メールサーバーが変わりますので現メールアカウント設定情報(送受信サーバー名、メールアカウントパスワードなど)でメールが使えなくなります。

※ちなみに、送受信サーバー名、それぞれのメールアカウントパスワードの変更がない場合は、現メーラ設定でそのままメール送受信ができることもあります。

 

DNS切替は完了ですが、新しいHPが表示されません。原因は何でしょうか?

原因として下記の2点を考えられます。

  1. 端末上でのLocal DNSキャッシュが残っています。
  2. ご利用しているネットワーク(ルーター、スイッチなど)のキャッシュが残っています。

 

まとめ

ネームサーバー(DNS)は、変更しても即時に反映はされず、一定の時間をかけて世界中のネットワークで順次変更が反映されていく仕組みとなっています。ネームサーバー切り替え中は、メールやホームページがどちらのサーバーに繋がるかを予測できません。なお、DNS切り替えに注意するして欲しいのは、メールアドレスの再設定です。移転元のサーバーにてメールアカウントを作成している場合、移管先側でも同じメールアカウントを作成する必要があります。また、お使いのメールソフト上でも、同じアドレスのメールアカウントを再設定の必要があります。

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